あけましておめでとうございます。獣医師の伊藤です。
本年度初投稿です。
写真はうちの実家の猫です。本文とは関係ありません(笑)
年末から年始にかけて緊急を要する患者さんが多数来られています。
急激な気温の低下が大きく要因としてありそうですが..
1.子宮蓄膿症
子宮内部の子宮粘膜に、細菌感染が起こることが主な原因となります。
女性ホルモンの影響を受けやすく、特に子宮粘膜が増殖している発情後期に細菌感染が起こりやすいため、避妊していない中高齢以上のワンちゃんでの発症が多いです。
二ヶ月で3頭来られましたが緊急手術を行い、皆さん元気にしてくれています。
皆さん、飼い主様の判断も早く発見できたその日のうちに手術をするよう決断していただいたことが大きかったです。
中高齢以上の避妊をしていないワンちゃんにとっては、頻繁に起こり、かつ命に関わる病気なので、
たくさん水を飲む
元気がない
陰部が腫れているまたは出血が止まらない
などの症状がある場合は早めに病院にて検査してあげてください。
2.消化管内異物
食べ盛りの若いワンちゃんやいろんな物で遊ぶのが大好きなワンちゃんは、人が見ていない間、いろんなものを口に含みます。決して悪いことではないのですが、遊んでるうちに食べてしまうこともしばしばあります。間違って食べてしまったものが大きかったり、吸収できないものであった場合は、胃の出口や腸管内にて詰まってしまい消化管の通行を止めてしまいます。
じゅうたんと竹を食べてしまい腸管内にて詰まれせてしまったワンちゃん
飼い主さんに相談し、バリウム検査をさせてもらい発見できました
今回も飼い主さんの決断が早かったため、緊急手術を行い、しっかり詰まっている物を取らせてもらいました。
今はすごく元気に病院でもご挨拶してくれます!
3.フィラリア症
フィラリア症の急性期に虚脱、ワイン色の尿、呼吸困難、突然死を起こします。放置すれば死亡率はほぼ100%です。
フィラリアは心臓に寄生します。フィラリアの数が多くなればなるほど心臓に負担はかかり、さらに肺にも侵入し呼吸をしにくくさせます。
このような状態になってしまうと、緊急で物理的に虫を取り出さないといけません。
しかし、リスクは高くまた必ずしも全ての虫が取りきれるとも限りません。
白く”=”に見える部分がフィラリアです。
これらの虫を物理的に取り出し、酸素管理を行います。
体調が整い次第薬を投与しフィラリアを駆虫していきます。
春になれば、フィラリア検査をお忘れなく!!
(ご案内は送らせていただきます)
4.腎不全
猫さんの腎臓は非常に精密にできています。冬になり水分をあまり取らなくなったり、血圧が下がってしまうと、腎臓にしっかりと水分がいきません。そうなると、腎臓が機能しなくなる腎不全となり亡くなってしまうこともあります。
12月の間に2頭来られ、お正月までにはなんとかおうちに帰れる状態になりました。
季節の変わり目はどうしても病気が多くなります!
もし何か変わったことがありましたら、早め病院に来てしっかり検査してあげてください