病院処方食は、各疾患に適した栄養成分の量や比率が調節され、食事療法を目的としたフードです。
病状にあった食事を与えることによって体にかかる負担を軽減し、病気の進行を遅らせたり、再発予防につなげることができます。
また、その時の状態により、最適なフードの種類が変わることがあります。
そのため、定期的な診察や検査が必要となります。
処方食を食べてもらう工夫をしましょう。
ワンちゃんネコちゃんの中には、処方食を好まず、食べてくれない場合があります。
そういったケースでは、治療が困難となることもあるので、食べてくれるような工夫をしましょう。
- フードをレンジであたためる。
- お湯でふやかす
- はちみつを混ぜる
- ささみのゆで汁をかける
- かつおぶしをお茶パックに入れて、フードの中に入れ保管する(においだけつける)
また、ワンちゃんだと1~2週間、ネコちゃんだと1~2カ月ぐらいゆっくり時間をかけてフードの割合を変えていけばフードの切り替えがうまくいきます。
心臓病フードの特徴
- タウリン Lカルニチンの配合
心臓機能のサポート - ビタミン、ミネラルの増強
利尿剤の投与により、失われやすいマグネシウムなどのミネラル類と ビタミンB群の補強 - 蛋白、リンの制限
腎臓への負担を考慮 - Na(塩分)の制限
腹水や浮腫、高血圧などの管理
腎臓病フードの特徴
- 蛋白質・リンの制限
腎臓の負担を軽くし、腎不全の悪化を防ぐ - オメガー3系脂肪酸(EPA、DHA) と L-アルギニンの増強
腎臓の濾過機能をサポート - ビタミンB群の添加
食欲不振や多尿によって失われやすいビタミンB群の増量。
皮膚病フードの特徴
- 蛋白質、炭水化物の厳選
アレルギー源になりにくい新奇蛋白や加水分解した原材料の使用 - 栄養素の強化
ビタミンA・B群、銅、亜鉛、必須脂肪酸を強化して皮膚のバリア機能をサポート - 必須脂肪酸の調節
オメガー6脂肪酸、-3脂肪酸の比率を調節して皮膚の炎症を軽減
減量用フードの特徴
- 食物繊維を増量
少ない量で満足感が得られ、脂肪の吸収を阻害 - 低カロリー
カロリー摂取量を減らしても、健康が維持できるよう設定 - コンドロイチン・グルコサミン配合
体重過多により負担がかかる関節を維持するために栄養素を配合 - 脂質の厳選
脂質の一部を中性脂肪になりにくいものに設定
消化器用フードの特徴
- フラクオリゴ糖とマンナオリゴ糖配合
腸内細菌の善玉菌を増加させ、腸内環境を維持 - ビートパルプ(食物繊維)
適度な発酵性の食物繊維を配合し、腸の健康維持をサポート - 必須脂肪酸の調節
オメガー6脂肪酸 -3脂肪酸を調節して炎症を軽減
糖尿病用フードの特徴
- 炭水化物の厳選
炭水化物の量を制限し、食後の血糖値の上昇を防ぐため吸収の遅い炭水化物源を使用 - 食物繊維の増量
過食の防止とグルコースやコレステロールの消化吸収の抑制 - ウェットタイプフード
エネルギー密度が低く、食後の血糖値上昇の抑制効果がある。
ドライタイプは水を加えてふやかすなどして、水分含量を増やすとよい。
尿石のワンちゃん・ネコちゃんには
※尿の凝集を防ぐため、水分摂取量を増やす工夫も必要です。
ワンちゃん、ネコちゃんの好みの器を使う、水の温度を調節する、水置場を工夫し、数を増やすなどしましょう。
ウェットタイプのフードを与えるのも効果があります。また、ジャーキーやチーズ、にぼし、かつおぶしなどは結晶成分が多く 含まれているので控えましょう。
※肥満に考慮したライトタイプのフードもあります。
尿石用フードの特徴
※ストルバイト維持フード
- ミネラルの制限
ストルバイト結晶の成分であるマグネシウムやリンをある程度制限 - PH値の設定(6.2~6.4)
尿のPHを整え、結晶の形成を予防する - Na(塩分)の添加
Naを高くすることにより水分摂取量を増やし尿の凝集を防ぐ - 必須脂肪酸と抗酸化成分
高レベルのオメガー3脂肪酸と抗酸化成分で炎症を管理し膀胱炎に考慮
尿石用フードの特徴
※ストルバイト溶解フード
- ミネラルの制限
ストルバイト結晶の成分であるマグネシウムやリンをギリギリまで制限 - PH値の設定(5.9~6.1)
尿を酸性に傾け、ストルバイトを溶解する
尿石用フードの特徴
※シュウ酸カルシウムフード
- カルシウムの制限
シュウ酸カルシウムの結晶成分であるカルシウムの制限 - PH値のアルカリ性設定(7.1~7.7)
尿をアルカリ性に傾けることによりシュウ酸カルシウムの形成を防ぐ - PH値の設定(6.2~6.4)
尿のPHを整え、結晶の形成を予防する - Na(塩分)の添加
Naを高くすることにより水分摂取量を増やし尿の凝集を防ぐ - ビタミンB6の強化
シュウ酸の形成と尿中の排泄の減少を助ける - クエンサンカリウムの添加
シュウ酸カルシウムの結晶の形成の阻害
うの動物病院処方食ポイントカードはじめました!
うの動物病院では、各病気に適した動物病院専売の処方食を飼い主様に提供しています。
しかしながら、一般の市販食に比べ、嗜好性が劣ったり、 高価なため、継続してご購入できない場合もあるようです。
そこで今回、飼主様のご負担を少しでも軽くするよう、 当院独自の処方食ポイントカードを発行させていただきました。特典の詳細は、当院スタッフにお尋ねください。